本稿では結論から申し上げます。
私が選択した治療法は「重粒子線治療」です。前回⑥で述べた放射線治療(IMRT)とは
また違った優れた特徴を持つ放射線治療です。学会の詳しい説明が以下URLから入れます。 https://www.particle.or.jp/hirtjapan/what/
◆以下メリットです。日本の技術が世界に先駆けています。保険適用も
前立腺がや他の部位にも順次されています。
<重粒子線治療とは>
重粒子(炭素イオン)線を使った放射線治療です
放射線の中で電子より重いものを粒子線、ヘリウムイオン線より重いものを重粒子線と呼びます。
重粒子線治療とは、この重粒子線を活用した放射線治療で、特に炭素イオンが活用されています。
重粒子を光の速度の70%に加速してがん病巣を照射します
重粒子線治療では、重粒子(炭素イオン)線を光の速度の約70%まで加速させて照射し、体の深部のがんを攻撃します。従来のX線を使った放射線治療では、体内の奥に入っていくほど影響力(ダメージの強さ)が下がっていましたが、重粒子線治療は、その影響力(ダメージの大きさ)のピークを体内に設定できるため、がん病巣に狙いを定めて効果的に照射できます。
がん病巣の形に合わせて体外から照射
また、重粒子線治療は、がん病巣の形や位置(深さ)に合わせて集中的に照射。がん病巣の形に合わせて照射調節の専用器具「コリメータ」「補償フィルタ」がそれを可能にします。
一人ひとりに合わせた照射を行うことで、脊髄などの重要な器官に影響を抑えてがんを治します。
最新の装置ではこれらの専門器具を必要としないスキャニング機能を採用しています。
世界に先駆けて実運用に成功した日本発の技術
重粒子線治療法は、量子科学技術研究開発機構(QST) 放射線医学総合研究所が、世界に先駆けて実運用に成功した技術です。国内の重粒子線治療施設では、1994年から2023年度までの期間に約42,000名以上の患者さまの治療に成功しています。
国際的にも高い関心が寄せられ、多くの国がこの治療装置の導入を検討しています。
現在、日本国内では山形大学医学部東日本重粒子センター、QST病院(旧放射線医学総合研究所病院)、群馬大学重粒子線医学センター、i-ROCK(アイロック) 神奈川県立がんセンター、大阪重粒子線センター、兵庫県立粒子線医療センター、SAGA HIMAT(サガハイマット) 九州国際重粒子線がん治療センターの7施設で重粒子線治療が行われており